10月は、AIに仕事を任せる範囲が一気に広がった1か月でした。Claudeがチャットと作業の実行を1つにまとめ、OpenAIのGPT-6.1 TerraやGoogleのGemini 4 Carbonなど、料金と性能を競う新モデルも続きました。一方で、富士通の定着事例やナデラCEOの提言が示すように、使い方と統制の設計が成果を分け始めています。

今月の重要AIニュース
ClaudeのチャットとCoworkが統合|DocsとSlidesも登場
米Anthropicが2026年9月16日、Claudeのチャットと「Claude Cowork」を統合すると発表しました。利用者が入り口を選ばなくても、Claudeが仕事に合う機能を選びます。文書を作るClaude Docsとスライドを作るClaude Slidesも加わり、同じ会話から数字のそろった資料を作れます。
富士通、Copilot 10万ライセンスで利用率9割超|全社に定着させた仕組み
富士通が、ほぼ全社員にあたる約10万人にMicrosoft 365 Copilotを導入し、利用率90%以上を保っています。段階的な試行、社内DX活動を生かした推進体制、活用事例の表彰で定着させ、サービスデスクでは問い合わせ対応の約75%を自動化しました。大企業でのAI定着の手本となる事例です。
ナデラCEO、AIモデルを「内部リスク」と扱うよう提言|緊急停止など7原則
米Microsoftのナデラ CEOが2026年10月10日、最先端のAIモデルを社内の「内部リスク」として扱うべきだとするエッセイを公開しました。AIの権限はモデルの外側で管理し、操作を記録し、人が作業途中でも止められる仕組みを持つよう、7つの原則で企業に求めています。
OpenAIがGPT-6.1 Terraを公開|PC操作に強く料金はSolの半額
米OpenAIが2026年10月26日(米国時間)、パソコン操作に強い高速モデル「GPT-6.1 Terra」を公開しました。API料金はGPT-6.1 Solの半額で、請求書の入力やフォームの記入など件数の多い定型作業の自動化を狙います。ChatGPT WorkとCodex、APIで使えます。
GoogleがGemini 4 Carbonを発表|脆弱性発見88.2%、防御者に先行提供
米Googleが2026年10月28日、最上位モデル「Gemini 4 Carbon」を発表しました。脆弱性の発見を測る評価で88.2%を記録するなど、サイバー防御と長時間の作業に強みを持ちます。まずサイバー防御者に限って提供し、一般提供の時期は未定です。導入期間後は料金が2倍になります。
今月の「個人的ベスト1」
【ベスト1:スチールテックがGeminiを全社に定着|使われない壁を越えた4つの仕掛け】
愛知県大府市の町工場スチールテックが、導入後半年ほぼ使われなかったGeminiを全社に定着させました。私的利用での体感、週1回の勉強会、感想文と人事評価への反映、他社事例の学習という4つの仕掛けで、50代の幹部も利用上位に入りました。AI定着の進め方を示す事例です。
以上、10月の振り返りでした。11月も平日の毎朝7:30に最新ニュースをお届けします。

小松怜
Advanced AI Partnersのコンサルタント。 生成AIニュースの執筆を担当し、国内外の生成AIの最新動向を企業の実務目線で解説しています。


